最近良く耳にする言葉、PCRとは何でしょう。

2020/05/04 ブログ
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約30年前私が米国から帰国する直前PCRという言葉が米国の大学中に広がりました。私の仕事はゴカイのコラーゲン遺伝子の塩基配列を読むことでありPCR(polymerase chain reaction)とは遺伝子解析に大きなインパクトを持つ技術であった為、私も講演会にはよく出席したものです。

遺伝子(DNA)は2重螺旋構造をしておりますが高温にすると1本鎖と成ります。この際polymeraseという酵素で1本鎖のDNAの相反する部分を作成できます。この作成した部分をゲルに通し電気泳動するとAGCTという遺伝子の塩基配列が読み取れます。今では電気泳動なしで機械が全て塩基配列を読んでくれますが私の時代はいかに良いゲルを作り塩基配列を間違えないようにする事に最大の注意を払ったものです。

さて酵素は高温下では失活してしまいます。その為一度に読める塩基配列は短いものでした。PCRで使われる酵素は火山の温水に住む細菌から採取したもので高温にはとても強くたびたび2重螺旋を高温で1本鎖にしても働き続きます。その為:chain reaction 連鎖反応を起こし無限に遺伝子を増幅する事が可能に成ったのです。現状はPCRという言葉が独り歩きしていてなんだか変ですね。